名前 | 前田 憲成 |
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所属先 | 九州工業大学 大学院生命体工学研究科 生体機能応用工学専攻
環境共生工学講座 微生物工学分野 教授 |
プロフィール |
2003年 九州工業大学 大学院生命体工学研究科博士前期課程 生体機能専攻修了 |
研究テーマ | ・遺伝子改変技術を駆使した水素高度生産菌株の作製に関する研究 ・下水余剰汚泥の減量化と資源化 |
研究分野 |
環境・農学/環境負荷低減技術、保全修復技術 |
研究概要
微生物は、土壌、河川水、海水などの環境のみならず、ヒトをはじめとした動物内にも存在している。特に体内に存在する微生物群は、病原微生物などは悪玉菌として、またヘルスケアに役立つ有用菌は善玉菌として働くため、微生物を対象とした研究は感染症対策技術ならびにヘルスケア・QOL技術の開発に役立つ。前田研究室では、微生物機能を活用して、環境とヒトに役立つ有用なバイオテクノロジーの開発を目指した、基礎研究と応用研究を展開している
1.医薬品の微生物分解
環境中から検出される化学物質の中に、医薬品などの化学物質がある。これらの化学物質によって薬剤耐性菌なども出現している。また、これらの医薬系化学物質に関しては、環境動態ならびに分解経路などは十分に明らかにされていない。そこで、抗がん剤や抗生物質などの医薬系化学物質を対象として、微生物による分解性、分解経路の解明、有用微生物の育種などを進めている。
2.Bdellovibrio属細菌による溶菌促進
薬剤耐性菌を不活性化する手法の一つとして、細菌を食べる細菌であるBdellovibrio属細菌を活用した手法に注目し、研究を進めている。細菌の活性を抑制する抗生物質とは異なり、Bdellovibrio属細菌は、直接標的の細菌の中に侵入し、その後溶菌する活性を持つため、細菌を不活性する手法として注目を浴びている。現在、Bdellovibrio属細菌の捕食促進物質などを発見し、その働きについて調査している。
3.クォーラムセンシング阻害に対する環境適応
薬剤耐性菌の病原性を抑制する手法の一つとして、病原性の発現に関わるクォーラムセンシングを阻害する取り組みが注目を浴びている。この手法は、薬剤耐性菌を生み出す抗生物質処理とは異なり、病原性発現機構のみを抑制するアプローチであるため、耐性菌が出現しにくいといわれている。現在、クォーラムセンシング阻害に対する細菌の環境適応について、遺伝子変異を介した阻害回避、クォーラムセンシング阻害剤の物質変換などの着眼点で調査を進めている。
4.歯周病原菌のクォーラムセンシング制御
口腔内細菌の中でも、レッドコンプレックスに属する歯周病原菌を対象として、クォーラムセンシングと病原性発現との関わりについて調査している。これまで、歯周病原菌の中でも、Porphyromonas gingivalisがクォーラムセンシング分子の一つであるインドール存在下と好気環境にて、より死滅しやすいという現象を見出しており、現在その殺菌メカニズムの解明を進めている。
自己PR
微生物に関わることで、お手伝いできることがあればご相談いただければと思います。下記は小職の研究活動に関して参考となるリンクです。
◎研究室ホームページ
◎研究者情報ー業績等のデータベース
◎Kyutech LAB(キューテック・ラボ)
◎九州工業大学の研究者~私たちはこんな研究をしています~
◎公表論文評価(Scopus)
◎公表論文評価(Google Scholar)