FS1(平成28年8月の再提案に向けた取り組み)

<実施結果・達成状況>
 FS拠点採択を踏まえ、中核機関が中心となって、提案機関・参画機関等とともに、外部シンクタンクの協力も得て、様々な調査・検討・実証等を行いました。
 この結果、アドバイザリー・ボードからの指摘(事業構想の抜本的見直し、実証フィールド機能の最大限活用、ソーシャルイノベーションに通じる取組み、規制緩和等社会制度に関する取組み)に取組み、再提案を行うことができました。
 その内容は、次のとおりです。

FS1:実施結果・達成状況 [1~10] はこちら

-------------------------------------------------------------------------------------------------
11)実証フィールド・コミッション
・ こうしたことから、フィールドの空間データ、生体データ等は、共用ツールとして有効であり、
  フィールドの確保はもとより、データの共用化、地域との調整を行うため、
  FAIS内に実証フィールド・コミッションを創設を準備しました。
・ 実証フィールド・コミッションは、データインフラの整備、個人情報保護対応済みのデータ提供、
  基盤技術の提供等のサービスをワンストップで行う体制です。

12)社会制度の変革
・ 実証フィールドから得られる規制緩和の必要性の整理を行いました。これに基づき、北九州市と
  タイアップして、国に対して、規制緩和を働きかけました。規制緩和の仕組みは下図のとおりです。
・ FS期間中、地域と協議を重ね、中核エリアの学術研究都市、工業・エネルギー産業集積地の若松区響
  灘地区、スマートコミュニティ事業が行われた八幡東区東田地区の3つの実証エリアとします。 

13)その他共同利用施設
・ 実証フィールドの他、先端設備の共同利用に関して、北九州学術研究都市自身が共同利用の考えで整備
  されたものであり、IC・MEMS製造設備、ロボット機器等各種機器、さらには国際会議場、宿泊施設、
  セミナールーム等を整備しています。
・ また、地域の参画大学機関、公的研究機関も本プログラムに合わせて開放しています。
・ これら機器をFAISが窓口となり利便性を確保するよう整備しました。


14) 人材育成
・ 人材育成について、北九州学術研究都市では、既に、産学官や大学機関の壁を取り払った、
 「連携大学院」を実施してきました。産業界の大きな支援の中で実学を学び、これまでに約300名の
  
大学院生が修了しています。
・ 北九州リサーチコンプレックスにおける人材育成として、こうした実績を基盤に新たな価値を創造し、
  未来を切り拓く「イノベーション人材」をキーワードに、
 「アントレプレナー」「高度専門人材」「グローバル環境人材」の3つの要素を兼ね備える人材育成が
  目標に掲げました。
・ そのため、統合プログラムを、既に実施している連携大学院はもとより、各大学等の
  育成プログラムをオープン化、統合化し、目的に即した新たなプログラムを整備します。
・ 本プログラムは、FAISの統合管理の下に、一体的に展開するものであり、このプログラムの特徴は、
  現場を活かした実践教育、国際性をもった教育にあります。

15) 事業化支援
北九州地域では、FAISをはじめ、商工会議所、北九州市、民間企業、金融機関が、それぞれの立場か
  ら多様な支援メニューを用意しています。このため、今回のFSを機に、関係者が集まり連携体制を構
  築しました。具体的には、FAISがワンストップで、各機関協調の下で、本プログラムの支援策として
  整理、活用するものです。
・ また、FAIS内に研究者、投資家、企業家とのマッチングスペースを常設。ここで新たな出会い、
  気付きが生まれような仕組みをつくるとともに、初期段階では、FAISがオフィス提供、
  研究員としての有期雇用、研究費助成、マーケティング調査等手厚い支援策を準備しました。
・ 研究段階に応じた資金面からの支援の仕組みとして、本プログラムに関し、金融関係機関と、
  協議の場設定、投資・融資検討、技術の顧客紹介を行う関係を構築しました。
  また、各研究について、FAISコーディネーターが責任を持って進捗管理し、ステージを判断。
  それぞれのステージに沿って、次なるゲートの関係機関・関係者とのつながりを構築しました。

16) 海外連携
・ 世界の拠点になる上で「超低炭素」のテーマに最も関心を示し、連携を求めているのがアジアです。
 北九州地域は、こうしたアジアの諸都市と100を超える環境プロジェクトを実施しており、本プログ
  ラムとの相乗効果は非常に大きいと言えます。
 これらをを踏まえ、先ずアジアの拠点としての橋頭堡を築くため、アジアの関係機関との連携ネットワ
  ークを整備しました。
 特に強い関係として、
     マレーシアプトラ大学(UPM、マレーシア)
     国立シンガポール大学(NUS、シンガポール)
     バンドン工科大学(ITB、インドネシア)
  と本プログラムに関する拠点連携に関しLOI(Letter of Intent)を締結しました。
 共同研究はもとより、実証フィールドの相互共同利用、
  国際機関と共同したアジアプログラムの策定・推進等幅広い事業の実施を予定しています。
・ 共同研究についても、
     タマサート大学
     アテネオ・デ・マニラ大学
     復旦大学
  と具体的内容を検討しました。さらに国連地域開発センター(UNCRD)や世界1,500の都市ネット
  ワークを持つイクレイ(ICLEI)と、フォーラム等を通じて、成果の発信することについて合意しまし
  た。

 17) 推進体制
 効果的、効率的に北九州リサーチコンプレックスを推進していく体制を整備しました。
 リサーチコンプレックスの実施に求められる事業協議会は、本提案を導いた北九州ソーシャルイノベー
  ション構築会議をそのまま継続することを予定しています。
 各事業ツールを統合化し、一体的なコンプレックスを形づくるため、事業の執行最高機関として、
  オーガナイザー、各チームリーダー、中核機関・自治体の代表から構成するマネージメントチームを設
  置することとしました。
 中核機関であるFAISは、組織の中核事業に本プログラムを据え、全組織をあげて取組む体制に改革す
  ることとし、また、情報関係機関である九州ヒューマンメディア創造センターと一体的に取組むため、
  当機関との組織統合について検討を進めました。

18) エリア構想
・ 中核エリアである北九州学術研究都市は、1期事業で121haを整備し、
  現在、5大学、17の研究機関、47の企業が集積し、エリア内の居住人口は約8,000人で、
  市内で最も人気のあるエリアです。
 さらなる発展に向け、市と一体となって本プログラムに取組む体制は、市の環境まちづくり計画である
  環境モデル都市実行計画に本プログラムが盛り込まれるなど整ったところであり、
  今後、学研二期事業約140haを本プログラムの基点として取組むことを決定しました。

19) 自立的発展と再提案
・ 北九州リサーチコンプレックスが、国等からの支援終了後も自立的に発展していけるよう、研究機関や
  人々をひきつける魅力・メリットを整備しました。
 世界に通用する本プロジェクトの特徴・メリットは、次のとおりです。
   Ø 世界にない超低炭素社会に関する総合的取り組み
   Ø 環境と人を結びつける新たな分野の開拓
   Ø 国立環境研究所、生理学研究所等国機関との連携協力
   Ø 実証フィールド、データの蓄積・活用
   Ø フィールド・コミッション等の公的機関との連携協力による運営
   Ø アジアの諸機関との連携
・ これらの特徴を、産学官民一体となって確実に整備し、その魅力を通じて、リサーチコンプレックスの
  目的とする集積を図り、それが世界の喫緊の課題である超低炭素社会の先導役を果たし、こうしたシナ
  リオを地域ぐるみで実現していくことを結論として、再提案書をとりまとめました。


FS1:実施結果・達成状況 [1~10] はこちら